登山をする上で最も重要な装備の1つ、ヘッドランプ。ここでは、登山で使うヘッドランプの必要性、機能、選び方のポイントを解説し、あわせておすすめモデルを紹介したいと思います。
ヘッドランプの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください!
ヘッドランプの必要性
ヘッドランプは小屋泊、テント泊における夜の生活に必要なのはもちろん、日帰りであっても何かトラブルで日が暮れることを想定し、必ず持っていくべきです。スマホのライトで代用も考えられますが、片手が塞がり危険で、スマホのバッテリーも消耗するためおすすめ出来ません。
また、登山中に大切なのは、日が落ちる少し前にヘッドランプをザックから出して準備しておくことです。完全に暗くなってからだと、ザックから取り出したり、電池を入れたりする作業に苦労するからです。
ヘッドランプの選び方のポイント
ヘッドランプは登山ギアの中でも、近年目覚ましい進化を遂げており、非常に軽く、高照度・高性能なモデルが数多くラインナップされています。ヘッドランプは、明るさ/照射時間/機能/重量/価格 のバランスで成り立っていることを理解し、自分に最適なモデルを選択することが大切です。
光の明るさ(ルーメン)
ヘッドランプの明るさは、ルーメンという単位で表されていることが一般的です。ルーメンとは、光源が放つ光の総量を表す単位。数値が高ければ高いほど明るいですが、その分電力を多く消費します。
無雪期で日中のみ行動する登山であれば、50ルーメン以上、冬山や暗い中での行動前提であれば、100ルーメン以上は最低でも欲しいところです。
注意点は、「ルーメン」は「光源が放つ光の総量を表す」だけなので、数値が同じでも広範囲を照らしたり、狭い範囲を遠くまで照らしたり、モデルにより光の特性は違ってきます。後述の照射距離も参考にご検討ください。
照射距離
ルーメンが光の総量を表すのに対し、照射距離はその光がどれだけ遠くまで届くのかを表します。「届く」ことの定義はメーカーによって違うかもしれませんが、ペツルのカタログには「0.25ルクス※以上の照度で照らすことができる距離」と記載されています。※ルクス:照らされた面の明るさを表す単位。
照射距離が長ければ、遠くまで見通せるため暗い山道を歩く際にルートファインディングがしやすくなります。
前項でも触れたように、同じルーメンでも照射距離は違ったりします。ルーメンと照射距離を合わせて、自分の用途に合ったものを検討する必要があります。キャンプ用途では照射距離は短い広範囲を照らせるもの、暗い山道を歩くのであればある程度照射距離の長いものが良いでしょう。
照射時間と電池
基本的に、光量が多いほどバッテリーの消耗が激しく、照射時間が短くなります。最大出力では長時間使い続けることは出来ないので、中設定や弱設定で使うことを前提に考えましょう。
乾電池のタイプは、
①乾電池タイプ
②充電式バッテリータイプ
③乾電池とバッテリーの両方使えるハイブリッドタイプ
があります。私は、①乾電池タイプか③ハイブリッドタイプをおすすめします。
充電式バッテリーは、山の中でバッテリーが切れた際にすぐに充電できない、モバイルバッテリーが必要、などの欠点があると考えるからです。乾電池タイプでも、充電式の乾電池を使えば経済的にも問題ありません。ただし、ニッケル水素電池はアルカリ電池よりややパワーが落ちるため注意が必要です。
光のモード切替と使い分け
登山用ヘッドランプのほとんどが、ボタンを一つで光のモード切替ができ、光の明るさと、発光方法を変えられます。私の持っているペツルのティカを例に挙げると、光は5パターンあり、使い分けは次の感じです。
カラーモード | 照射レベル | 利用シーン |
白色光 | 弱 | テント生活で |
中 | 暗い山道を歩く際に | |
強 | 遠くを見渡したいときに、ピンポイントで | |
赤色光 | 点灯 | 山小屋など周りに人が多い場所で |
点滅 | 緊急時に |
赤色(色付き)の光は、白色光よりも目に負担を与えないため、人が多いときに使用します。また、バッテリー温存のために、必要な時に必要な明るさに調節することが大切です。初心者の方はモードがたくさんあっても使いこなせないので、最低限、明るさ調節機能があれば問題ないと思います。
防水性能
登山用のヘッドランプであれば、たいてい防水性になっています。防水性能は、IPコードという国際規格で表されており、「IPX〇」(〇は数字)のようにカタログに記載されています。〇の数字が大きいほど防水性が高いことになります。普通の登山であれば、IPX4以上あれば問題ないと思います。沢登りなどするのであれば、より防水性の高いものにしましょう。
その他のポイント
■固定バンド
バンドはある程度太くて丈夫、そして調整しやすいものが良いです。頭部にフィットしないと、ずれ落ちてきてストレスになります。
■角度調整のしやすさ
たいていのヘッドランプは、照射角度を上下に調整が可能です。遠くを見るときは上に、足元・手元を見るときは下に向けます。操作のしやすさも確認しましょう。
■ボタンの押しやすさ
無雪期ではそれほど神経質になる必要はないですが、冬山に行くのであれば、ボタンの押しやすさは重要です。グローブを2重、3重につけた状態で押す必要があるためです。なるべき大きく、押しやすいボタンのものが良いです。
ヘッドランプのおすすめモデル
ヘッドランプの有名メーカーといえば、ペツル(PETZL)とブラックダイヤモンド(Black Diamond)です。とりあえず初心者の方は、迷ったらこのどちらかのメーカーにすれば、間違いはないでしょう。
一般登山ならコレ!
<ペツル>ティカ
現在、私の使用しているモデルです。一般登山には十分な光量、安定したバンド、暗闇でもランプを探しやすい蓄光リフレクターを搭載。そして電池は付属の乾電池3本、別売のリチャージャブルバッテリー『コア』の両方に対応します。
<ブラックダイヤモンド>コズモ
コストパフォーマンスの高いブラックダイヤモンドのヘッドランプです。防水性能がIPX8と、ペツルに比べて高い防水性を有します。
まとめ
ヘッドランプは意外と見るべきポイントも多く、モデルにより機能もさまざまです。紹介したポイントを抑えつつ、自分に合ったヘッドランプを探し出しましょう!
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