登山用ストック(トレッキングポール)の必要性と選び方

登山装備

登山用ストック(トレッキングポールとも言います)はここ10年ほどでかなり認知度の高まった道具です。しかし、その効果や必要性、選び方を理解している人は少ないのではないでしょうか。
ここでは、ストックってそもそも必要なの?どうやって選ぶの?と思っている方の疑問を解決していきます!

ストックの役割と必要性

前提として、私はストックは便利とは思いつつも、全員が買うべき!とまでは思いません。ストックの役割から、その必要性を考えていきます。

ストックを使ったときの効果は主に3つ。

  • 下山時にストックへ荷重を分散でき、膝への負担を軽減できる
  • 不安定な足場で、バランスをとりやすくなる
  • 腕の力も加わり、歩行時の推進力が上がる

※注意点は、必要以上にストックに力を入れて、腕の力で登ろうとすると逆に疲れるということです。あくまで歩行の補助をするイメージで使いましょう。

これらの効果から、私がストックの購入をオススメする人は、

  • 下山が苦手だったり、膝が悪いという方
  • 雪山も行こうと思っている方
    ⇒雪の上でバランスをとったり、ラッセルに使ったりするため
  • テント泊で重い荷物を持つ方
    ⇒荷物が重いと膝への負担も大きいし、バランスもとりづらいため

このような方はぜひ購入すべきです。もちろん、該当しない方でも、買いたいと思ったら、買ってしまいましょう!

気を付けたいのは、ストックはデメリットとなるシーンもあるということ。例えば、両手で岩を掴まないと登れないような場所では邪魔になるし、ザックにくくりつけても荷物になるからです。

ストックを選ぶポイント

次にストックを選ぶときのポイントを解説していきます!

「I字型」×2本か「T字型」×1本か

ストックの種類はグリップの形で大きく分けて、「I字型」と「T字型」に分けられます。I字型はスキーのストックと同じような形状で、先端までストレートに伸びています。一方、T字型はシャフトに対してグリップが横向きの形状となっています。I字型は2本で、T字型は1本で使うことが多いですが、現在の主流でもある「I字型」×2本をオススメします。理由は、2本のほうがバランスをとりやすい、歩行にリズムが生まれやすい、取り回しが良いなどです。「T字型」×1本が効果的なのは、高低差のない緩いハイキングのときくらいでしょうか。

<I字型×2> 

<T字型×1>                 

グリップの詳細形状

グリップが自分の手のひらになじむか否か、それはグリップの形状・太さによって変わります。人によって手のサイズも違い一概にこれが良いとは言えないので、こればかりは実際にお店で握ってみることをオススメします。

1つ自分のこだわりポイントとしては、グリップの握る位置が2つあるものが良いと感じでいます。理由は、起伏に応じて持ち替えて、瞬時に長さを調節できるからです。

連結部分のロック(調節)方式

登山用ストックは短く収納できるように何分割(だいたい3分割)かされており、それを連結する部分のロック方式には3種類(+ハイブリッドタイプ)があります。

・フリックロックタイプ
連結部分にレバーがあり、レバーを開いた状態で長さを調節し、レバーを閉じて固定する。

・スクリューロックタイプ
シャフト同士をねじってゆるめた状態で長さを調節し、しめて固定する。

出典:Amazon

・ピンロックタイプ
シャフトを引いて小さなピンを縁などに引っ掛けて固定し、収納する時はピンを押してシャフトを縮める。長さ調節は出来ませんが、収納時は折りたためてコンパクト。

・ハイブリッドタイプ
1本の中で複数の方式を採用しているタイプ。ピンロック+フリックロックというパターンが主流なようです。ピンロックタイプと同様、収納時は折りたためてコンパクト。長さ調節は可能ですが、調節できる幅は小さいです。

私が初心者におすすめしたいのは、フリックロックタイプです。理由は3つ、①比較的値段が安い②ロック操作がしやすい③長さが幅広く調節できる

スクリューロックタイプは、素手ならまだいいですが、グローブを付けた状態だと操作がしづらいです。特に冬山ではその差が出ます。
また、ピンロックタイプのみのストックは、長さ調節が出来ないためオススメしません。基本的に登りは短め、下りは長めに調節するため、通常の登山であれば長さ調節機能は必須です。
ではハイブリッドタイプはどうかというと、登山に慣れた方であればよいと思います。ただ、比較的値段が高いのと、長さ調節できる幅が小さいため、自分に合った長さがわからない初心者には、やや難しい選択かと思います。

素材と重量

ストックのシャフト部分の素材は、アルミ合金カーボンの2つがあります。カーボンのほうが、重量が軽くてしなやかですが、値段が高いのとやや折れやすいのが難点です。お金に余裕があったり、腕力に自信がない人はカーボン、その他の人はアルミでOKと思います。

雪山に行くならスノーバスケット

付属の小さなバスケットは、雪の上では深く突き刺さってしまい、使い物にならなくなります。別売りの面積の広いスノーバスケットに取り換えて使いましょう。購入前には、スノーバスケットに対応しているかも要チェックです。

最初の1本としておすすめモデル!

以上のことをまとめると、私が初心者におすすめするストックは、I字型×2本で、ロック方式はフリックロック、素材は安く済ませたいならアルミ合金、雪山に行くならスノーバスケット対応のもの、となります。
ストックの有名メーカーは、LEKI(レキ)、Black Diamond(ブラックダイヤモンド)あたりです。今回は、記事中の写真にも登場していて私が長年使っているBlack DIamondのモデルをご紹介します。

<Black Diamond>トレイル

Black Diamondのスタンダードモデルです。重すぎず、フリックロックで扱いやすく、グリップの上下の持ち替えも可能、そして値段も手頃です。雪山用のスノーバスケットも対応しており、夏山、冬山問わず問題なく使えるモデルです。ウィメンズモデルもあります。

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