登山の下りでコケない、膝を痛めない方法

登山技術

登山において、下山が苦手でコケてしまう、膝を痛めてしまう、という方は多いのではないでしょうか。実は登山は上りよりも下りのほうが難しく、ケガもしやすいです。
なぜなら、下山では自分の体重以上の負荷が足にかかり、スピードも出やすいからです。

そこで、下山時にコケずに膝を痛めないようにするための4つのポイントを、その理由を深堀りしながら解説していきます!

足の置く場所を工夫する

下山時に足をどこに置くかで、滑りやすさは変わってきます。転倒しないために考えるポイントは、
・木の根、コケのついた岩や砂利にはなるべく足を置かない
・地面に埋まっていて、凹凸のある石になるべく足を置く

ということです。

木の根は、円形で表面の凹凸も少ないので、ソールも噛み込まず、非常に滑りやすいです。特に雨の日は最悪です。コケのついた岩もツルツルなので気をつけましょう。

また、砂利については、「砂利そのものが動いて滑る」という理由で滑りやすいです。登山靴はグリップが効くよう、深い溝のあるソールパターンを有していますが、その力が発揮できなくなります。

一方で、地面に埋まっていて、凹凸のある石が一番滑りにくいといえます。石そのものが動く心配はありませんし、石に登山靴のソールが噛み込み高い摩擦力が生まれるからです。

下りでコケない、膝が痛くならない歩き方

まず結論から。ポイントは2つです。
・膝を曲げてクッションを効かせて着地する
・重心を後ろにもっていかない(へっぴり腰厳禁!)

理由を詳しく解説していきます。

膝を曲げてクッションを効かせて着地する

特に疲れてくると、着地の際に足を伸ばしてドスンドスンと下ってしまう方も多いと思います。しかし、そうすると着地の衝撃がどうしても大きくなるため足を滑らせやすいし、足の関節への負担も大きいです。
意識的に膝を曲げて、少し腰を落として着地することが大切です。正直、膝を曲げる下り方は、筋力を使うため疲れます。疲れてくるとドスンドスンと下ってしまう理由もここにあります。ですので、疲れてきた時こそ、集中力が大切です

重心を後ろにもっていかない(へっぴり腰厳禁!)

重心を後ろにもっていくと、足を滑らせやすい上に、滑った時に尻もちをつきやすいです。
理由は、かかとに偏った荷重がかかり、かつ足を前に突き出す力が働いてしまうからです。そして、足を滑らせたときに重心が後ろの場合、立て直すことが困難になります。

下りで足を滑らせるのは、基本的に足を後ろから前に滑らせてしまったパターンがほとんどです。ですので、重心を中心に保ち、足裏に均等に荷重をかけるイメージで下ると滑りにくく、少しくらい滑っても体勢を立て直せます。
スキーの経験がある方はイメージしやすいと思います。スキーも後傾ぎみだと逆にスピードが出てコントロールもしづらいため、均等荷重がポイントになります。

筋トレが膝の痛みを予防する

下山中に膝が痛くなることは、実は脚の筋力不足が原因であることが多いです。上述したように、「膝を曲げてクッションを効かせて着地する」下り方は筋力を使います。
従って、
筋力がない⇒膝を曲げて下るとすぐ疲れる⇒ドスンドスンと下るようになる⇒足に負担がかかる⇒膝が痛くなる
という流れです。なので、膝が痛いときに病院に行くと、たいてい「筋力をつけましょう」と言われます。

登山で使う筋力をつけるには、とにかく登山に行く回数が大事です。登山の筋力は登山でつけましょう。とはいえ、忙しくて山に行く時間がなかなか取れない方は、スクワットや階段昇降などの筋トレをオススメします。

道具を活用する

どうしても下山中に膝が痛くなりやすい人や、バランスを崩しやすい人は、下りをサポートする道具を活用しましょう。

代表的なものは、ストックです。ストックは下りこそ活躍する道具です。使いこなすには慣れが必要ですが、下りでのバランス補助、脚への負荷軽減に役立ちます。ストックは1本タイプより、バランスを取りやすい2本タイプをオススメします。

2本タイプのストック

次に、サポートタイツサポーターです。これも、けっこう膝への負担を和らげることが出来ます。私も最近、膝が痛くなることがたまにあるため、長時間歩くときなどはサポーターをつけたり持って行ったりしています。ただし、注意点としてはサポートタイツを使用すると脚の筋肉がつきにくいというデメリットがあるため、特に膝の痛みに困っていないのであれば使わないほうが良いと思います。

サポーター

まとめ

今回は、下りでコケない、膝を痛めないための方法を解説しました。対策は4つのアプローチがあります。

  • 足を置く場所を工夫する【地面に埋まっていて、凹凸のある石は安心】
  • 歩き方を工夫する【膝を曲げてクッションを効かせる、重心は体の中心に】
  • 脚の筋力をつける【山にいっぱい行く、スクワットなどの筋トレをする】
  • 道具を活用する【ストック、サポートタイツを使ってみる】

これらを念頭におきつつ、山でトレーニングです!

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